かつて採用媒体に出稿しておけば大丈夫という時代がありました。
今ではそんなやり方は通じず、各企業がさまざまな手法を模索しています。
一方で採用媒体も、従来の手法からの脱却を計っています。
そんな中見つけたのが、株式会社アイデムのYouTubeチャンネル。
株式会社アイデムでは、地域密着型求人サイト「イーアイデム」、求人情報誌「ジョブアイデム」、新卒サイト「JOBRASS新卒」などを運営しています。
このYouTubeチャンネルでは、さまざまな中小企業の動画が公開されています。
チャンネル登録者数が741人と少ないにもかかわらず、動画の再生回数は1万回を超えているものが9割を占めています。中には400万回以上再生されている動画もあります。積極的にGoogle広告を活用していると思われます。
一体アイデムはなぜこのようなチャンネルを運営しているのでしょうか。
ここでアイデムと他社の媒体としての違いについて考えます。
新卒の採用媒体としては「マイナビ」と「リクナビ」が2強です。
インターンから継続で利用している企業も多いと思われます。
どちらのサイトも登録者数や閲覧数が多く、就活生がまず登録するサイトといえるでしょう。
しかし、これらの採用媒体に掲載したからといって、必ずしも自社の求人ページを見てもらえるわけではありません。
オプションでメール広告やスカウトメールなどを導入しても、露出度を高めるきっかけにはなるかもしれませんが、オプション導入企業が多ければ結局競合してしまいます。
また、自社の求人ページに動画を掲載できますが、その求人掲載ページにアクセスしてもらうのが一苦労です。
さらに、媒体にアクセスし、その中の求人ページに来た学生にしか動画をもてもらうことができないというのは、依頼主からすればせっかく作った動画のコストパフォーマンスを大きく下げることになります。
そこでアイデムは自社の採用媒体に囲い込むことよりも、広く学生が目にする機会を増やすというクライアントの利益を優先して、このようなサービスに舵を切ったと言えます。
アイデムほどの規模の採用媒体でさえ、YouTubeへ、ユーザーを流出させることを許す時代になったのです。
YouTubeとどう付き合うのか、中小企業は真剣に考えなければならない時代だと言えます。