こんにちは、大学3年の瀬田です。前回に引き続き就活生にインタビューをしていきたいと思います。
今回、インタビューに応えてくれるのは、大学3年生の浜谷さん。彼は、ゼミやサークル、バイト、地域ボランティアに参加し授業にも真面目に取り組んでいるという模範的な大学生です。「THE 大学生」と呼ぶにふさわしいそんな浜谷さんなら、大学生ならではの就活の悩みを持っていそうなものです。彼は一体就活にどんな悩みを抱え、どんな就活をしたいと思っているのか、探ってみました。その結果は意外なもので、就活に積極的になれないのが悩みだというのです。すごく単純な答えですが、これは彼だけに限らず多くの大学生が持っている実に厄介な悩みかもしれません。実際のインタビュー記事をご覧ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自己紹介お願いします!
日本大学商学部3年の浜谷です。23歳です。
業界や業種、会社規模。単刀直入にどんな会社にいこうと考えてますか?
ほとんど、決まってない。特別に希望する業界もありません。
ただ、会社の大きさはそんな大きくなくていいです。
お金はある程度欲しいけど、出世には興味はありません。
きっとお金がないから自分は頑張るんだろうな。
競争はなるべくしたくないから移り変わりの激しい業界よりも、
安定した需要に支えられている業界のがどちらかというと好み。
今は具体的にどんな就活をしていますか?
今はほとんどやってないからいうことありません!
就活自体は意識しているんですか?
1月から意識し始めました。周りでも内々定を取り出した子が出て来たので。
内々定とった友達はどんな感じなんですか?
就活してない俺には現実味がないんだけど、内々定をとるための入り口はインターンや就活生向けのパーティーに誘われたりするところから始まるみたい。その子達をはたから見てて、正直、真面目にやってるなとは思ったよね。俺はそこまでやれてないなと思ったし。
インターンや説明会には行ったことはありますか?
夏にITコンサルティング会社のインターンに一度行ったよ。かなりキツかったね。やってる内容だけ見るとブラックと感じるくらい。量も質も求められたよね。
でも、そこで働く社員の人たちはやる気があった。みんな楽しそうにやっていたんだ。前向きすぎるくらいポジティブな人たちが集まっていた。
不思議に思って社員の人に何故そんなに前向きなのか聞いた。そしたら、「職場に行ったらポジティブ人間モードに切り替えている。それもイヤイヤではなくて自ら率先してそのモードになっている。」ということだった。意外だった。これが社風ってやつなのかな、と思ったよね。
そのインターンは確かリクナビで応募したはず。そのほかの合同説明会にはいったことがない。
なんで就活を今あまりしていないの?
働くことに対するリアリティがないんだよね。就活をすごい頑張ってる人が仲の良い友達でいない。そういう人がいればもっと就活をする気になったのかもしれない。
とはいえ、最低限やらなきゃいけないことはやっておかなきゃいけないなって焦りはある。
就職にリアリティを持つための方針は何かある?
塾でアルバイトをしているんだけど、そこは塾の室長以外はほとんどがバイトで学生。だから塾講師をバイトでしていても社会人になっているという実感は湧かない。
社会人に混じって働いた経験がないから、インターンをして見るのも一つの手だと思う。
どんな働き方をしたい?
頑張ったからやりがいがあるというわけではない。だから、ただ闇雲に頑張ればいいというわけではないし、そういう働き方はしたくない。
就活にやる気があってどんどんキャリアを積んでいこうと考えてる人たち、それとは違う道を選んでいる自分。それらを比べてどう思う?
キャリアを積んでいこうとしてる人たちは少し「すごいなー」と俯瞰してしまう。俺は楽しく働ければいいし、リーダーとかは向いてないと思うから、適材適所で使ってもらえればいい。そのためには使える人間にならないとお金もらえないから使える人間にはならないといけないね。
就活生の今、知りたい情報はある?
自分にあった企業はどうやったら見つかるの?
それはどこでどうやって知れるの?
ってことだね。
企業の表向きの姿ばかり目について本当のところが全然わからない気がしている。
なんで就職活動ってするんだろうね?
受験勉強をたくさんしてもそれを大学でどれだけ使うかっていうとかなり疑問。就職活動もそれとおんなじことが起きてるような気がしていて、就職活動をどれだけしても会社で働いてみたらそれまでの活動がすごく活きてくるとは思えない。なんだかズレてる感じがする。
どうやってこれから就活をして行きたい?
会社に相性がいいって思ってもらうことで採用されるのかなとおもう。面接で自分を偽っても入社してから辛そうだから自分のことは正直に伝えようかな。自分の言いたいことは基本言う。でも、自信をもって正直に就活に立ち向かうには、自分にしかできないことを今からしていかないとダメだよね。
身の丈にあった就活がしたいね、とても難しいけど。
偽らずにやることが精一杯の身の丈にあった就活なのかな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
浜谷さんは「働くことに対するリアリティーがないから積極的な就活ができない」と言います。さらに「積極的になれないなりに時間は限られているので周りを見ながら最低限の就活をしなくてはならない」と焦ります。なぜ、浜谷さんは働くことへのリアリティーが持てないのか?それは今の学生と社会人の間に大きな隔たりがあるからではないかと思います。例えば、両親が実際に社会人として働いている姿を見たことのある学生はどれだけいるでしょうか。身の回りに社会人として働いている人がどれだけいるでしょうか。大学生は社会人という存在を身近な存在として捉えきれないまま、働くことも想像できずに就活をしている学生は意外と多いのかもしれません。インターンシップを積極的にやる学生もいますが、それはごく一部に過ぎません。そもそもインターンシップに参加することがある程度働くことに積極的でないと難しいことのように思います。大学生として勉学や課外活動に勤しむ中でも、インターンシップの重要性に気づけるような環境、もっと気軽に社会に触れられる環境が世の中に求められているのではないでしょうか。そういった環境があることで、もっと働くことに積極的になり、業界について自ら学び、自発的に社会に適応していくための力を、学生は養っていけるのかもしれません。