「第四新卒」の衝撃。超高齢化社会を生き抜く、森下仁丹のクリエイティブ

老舗企業「森下仁丹」の採用動画が話題です。
定年目前の中高年求職者に「第四新卒」という新たな称号を与え、
もう一花咲かせたいオヤジ心を鷲掴みにした一作。
早速ご覧ください。
森下仁丹 第四新卒採用「オッサンたちへ」篇

 

これが響いたら、、、あなたもオッサンです。

どうですか?響きましたか??
いわずもがな、この動画のターゲットは「オッサン」です。
むしろこれが響いたらあなたはオッサンです。おめでとう。
ちなみに、私はオバサンなので響きませんでした。
ノスタルジー感あふれるレトロな風景。
次から次へと登場する地味で無骨なオッサンたち。
モノローグ。モノクロ画面、音楽なし。
いかにもオッサンが好きそうな演出です。
そもそも「オッサンたちへ」などという呼びかけが、
いかにも無頼派きどりのオッサンの共感を呼びそう。
現に、ネット上でも多くのオッサンたちが「感動した」「泣ける」「応募したい」などとコメントしており、
ネットニュースやビジネス系コラムにもバンバン取り上げられております。
採用動画としては、大成功と言えるでしょう。

 

オッサン限定?のターゲッティング

さて、ここでおさらいです。
企業の採用活動において、「オッサン限定」の求人を出すことはできるでしょうか?
ダメですね。
性別の限定はもちろん、求職者の年齢を制限すると国に怒られます。
参考: 厚生労働省 募集・採用における年齢制限禁止について
たとえば求人広告に「50〜60代の男性募集」とか書いちゃうとダメですが、
採用動画の中で「オッサンたちへ」と呼びかけることは大丈夫なんです。
念のため森下仁丹の応募資格を見てみますと…
「性別・年齢を問わず 経験やスキルよりポテンシャルを重視します」。
20代の若造も、40代のオバハンも、応募したっていいよってスタンスです。完全セーフです。
しかし、おそらく今回の応募者はオッサンだらけになるのでしょう。
前述したとおり、特定ジャンルの中高年男性だけに響くよう、ターゲットをしぼっているからです。
言葉で明確に限定しなければ違法性はありません。
映像によるイメージ発信は、特性層の採用に結びつけたい場合にとても有効なのです。
森下仁丹の社長は52歳で異業種から転職して来て
そこから社長にのぼりつめた方だそうで、社長自身がターゲット層と一致してるんですね。
実は動画の最後に出て来るオッサンも、現社長でした。まさかの本人動画。
採用サイトにはプロジェクトX風味の長文インタビューも掲載されています。
「自分が社長になってやる、というほど、やる気のある人の募集をお待ちしております」だって。
スゲエ。でも私にはぜったい無理。そんなやる気ないです。…みたいなタイプの40才のオバサンとか、全然いらないんだよね。

やっぱりターゲット戦略、大成功してますな〜。

森下仁丹株式会社 採用サイト

http://www.jintan.co.jp/corp/recruit/daiyonshinsotsu/