赤字の会社は、就職先として有利なのか?不利なのか?
巨額の赤字を出せるというのは、ある意味では、それだけ体力があるということ。
また、それだけ規模の大きい事業を行っているからとも言えます。
そういう点で今は赤字でも、今後回復し、巨額の黒字に変わる可能性も十分にあります。
また実力の割に不人気であることが多く、実力のない人気企業より、よっぽど堅実な選択とも考えることができます。
では、実際のところ、どんな企業が巨額の赤字を抱えているのでしょうか?
そこで、今回は東洋経済オンラインの2016年3月17日に掲載された「過去10年で結局赤字だった443社ランキング」からワースト10をご紹介します。
過去10年で純損失を積み上げた会社 ワースト10
順位 社名 通算純利益(億円) 単年最高 単年最小 業種名
1位 東京電力 ▲13,163 ▲12,473 4,515 電器・ガス業
2位 パナソニック ▲9,814 ▲7,721 2,818 電気機器
3位 シャープ ▲9,419 ▲5,453 1,019 電気機器
4位 ルネサンスエレクトロニクス ▲5,628 ▲1,675 823 電気機器
5位 ソニー ▲4,479 ▲4,566 3,694 電気機器
6位 九州電力 ▲4,205 ▲3,324 768 電器・ガス業
7位 パイオニア ▲2,889 ▲1,305 146 電気機器
8位 NEC ▲2,425 ▲2,966 573 電気機器
9位 北海道電力 ▲1,851 ▲1,328 344 電器・ガス業
10位 東北電力 ▲1,398 ▲2,319 764 電器・ガス業
有名企業ばかりです、、、、、
これだけはっきりと、日本の「エネルギー問題」と「家電産業の低迷」が表れているとは、、、、、
日本の低迷を縮図にしたようなランキングですね。
損失の桁が大きすぎて実感しにくいのですが、
1位の東京電力は、この10年で通算純損失が1兆3163億円。
各大手電力会社も「原発の停止に伴う採算の悪化」し「累計赤字の会社が続出」しています。電気料金の値上げで解決するような数字ではないですよね……。
それでも、倒産しない理由は、毎月きちんと電気使用料金が徴収できるので、資金繰りに困っていないと言うことでしょうか?
記事によると、「昨年のランキングと比べると、全体的に赤字幅は縮小した。10年間の損益合計がマイナスの会社は昨年より40社ほど減った」そうです。少しずつ上向きになっているのでしょうか。
さて、今回は1位の東京電力のメッセージムービーをご紹介します。
東京電力の採用HPに3つのメッセージムービー「社長メッセージ」「ホールディングカンパニー制について」「東京電力の歴史」があります。
個人的に面白かった順にご紹介しますね。
まず、一番は「ホールディングカンパニー制について」説明している動画。
画像をクリックして頂くと、動画をご覧頂けます。
ここがいい01
冒頭の密着取材感が良い!
冒頭の登場シーンが良いですね。
実際に記者会見へ向かうところから撮影しているので、単なる記者会見をドキュメンタリータッチのメッセージムービーに格上げしています。短く編集していて見やすいですね。
次にご紹介するのが「社長メッセージ」です。社長自ら就活生へメッセージを送っています。
ここがいい01
モノローグ調のメッセージ
カメラを見据えて独白のように語る社長さんのメッセージです。
意外かもしれませんが、話している内容はあまり入ってきません。
マイナス評価になりそうなところですが、
表舞台に1人で登場し、晒しものになっているような雰囲気、
責任を背負っている社長さんの覚悟みたいなものが伝わります。
大規模な採用動画を作っていない所が謝罪と誠実さを表現しています。
ふざけた感じの面白い採用動画だったら、ちょっと嫌だったと思いますし、
企業によってはこういう採用動画も必要なのではないでしょうか。
入社したら定年まで続くであろう、謝罪と責任。
そういう覚悟に同調できる就活生には伝わると思います。
最後にご紹介するのが「東京電力の歴史」です。
壮大な将来ビジョンより誠実さが大事。後半はさじ加減が必要。
前半は歴史の説明なので、たくさんのアーカイブ写真が登場します。
普通に見ていて飽きません。
2分20秒から、3.11の地震直後の様子や福島第一原発の写真などが登場します。
福島第一原発で撮ったと思われる写真がありました。津波が向かってくるような写真がだったので、記録として撮っている人がいたのか、とちょっと驚きました。
復旧に奔走する社員さんの様子も良いと思います。
そのあとが気になりました。
将来ビジョンについて唐突に始まる感じがあります。
「電力事業を勝ち抜いて頑張っていく」というのが一番伝えたいメッセージだったと思うのですが、「壮大な音楽」と「競争を勝ち抜く」というようなナレーションを聞くと、
少し、微妙な気分になったのは私だけでしょうか、、、、、
企業コミュニケーションとはどうあるべきか?ということを改めて感じました。