ご紹介するのは、通称NYPD。
【公務員】ニューヨーク市警察
比較的治安は安定しているといわれるマンハッタン。それでも、日本の治安とは比べものにならないほど犯罪率の高いニューヨーク市。
在ニューヨーク日本国総領事館の資料によると、2012年、殺人は東京の4倍、強盗に至っては東京の約35倍。東京の約570件に対し、ニューヨークでは約2万件。(http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/j5/01.html)
犯罪が身近に迫る都市で市民を守る警察官は、法の秩序と正義感の元、日夜犯罪と闘っています。
今回ご紹介するのは、ニューヨーク市警の巡査の一日。
●構成について
この採用動画を見終わって、
カッコいいことがしたかったんだろうな、と思いましたが、
映像がカッコイイだけで警察官がカッコよく見えるのかな?
明らかに嘘っぽい作られた感満載の動画です。
法と秩序の側なのに、作られた嘘っぽい動画と言う点が良いとは思えないんですよね。
俺たちに間違いはないぞ!悪いのはそっちだ!って言われそうです。
それに、素材としてどこを紹介してもニューヨーク市警察は素晴らしく面白い絵が撮れるはずなのに、
高コストをかけて作られた動画の割に、伝わるイメージやメッセージのハードルが低すぎる気がします。
NYPDの意図として「平和を守るヒーロー、私たち巡査の一日」を
イメージしているようです。
実際の警察官の一日が一致しないことは、誰が見ても丸わかりですが・・・。
音楽もいかにもヒーロー、太りすぎの巡査は一人もいないし、市民には気さくな存在で街を温かく見守る存在、
こんなにボーっとしている巡査など、見たことがありません。
この映像では、街を守る存在として描きたかったはずのヒーロー像が、
平和ボケしたいヒーローたちにすり替わっています。
作り物のヒーローよりも誠実な警察を見せた方が、
視聴者の知りたい巡査の一日が伝わると思います。
実際の犯罪に直面したとき、恐怖とどう向き合うのか、
犯罪率の高い地域で市民とどのような取り組みをしているのか、
警備艇や騎馬隊を紹介するなら巡回時に注意している点など、
インタビューされた人の生の声が伝わるような内容であるべきだし、
意図を明確にした演出をするべきだと思います。
ドキュメンタリーの要素を取り入れた採用動画を作る方が、
市警の魅力を惹きだせるはずです。
警備艇や騎馬隊からの映像が見られたら、警察官から見える街が見えるのに非常にもったいない作り方です。