こんにちは。就活生インタビューをしている瀬田です。
私は今年大学4年生になりましたが、就活をする予定は今の所、ありません。なぜかというと、一度も会社で働いたこともないのに、会社の理念に共感したり会社に忠誠を誓ったりすることは難しいと感じるからです。また、働いたこともない僕が会社に自分のポテンシャルをアピールすることもできないと思っています。今の就活制度はそれを要求されているようで僕には魅力的に感じられません。就活を要領よくこなす就活スキルを高めて就職するくらいなら、自分で実際に働いて社会人の厳しさを体感し職業スキルを高める方が有意義だと感じています。
そういうわけで僕は就活をしないことに決めたのですが、こうして就活生インタビューをするのにはわけがあります。世の中の就活生が一体どんな意義を感じ就活をすることに決めたのか。どんな境遇を持ち、どう行った動機で就活をしているのか。これを解き明かしたいと思い就活生にインタビューをしています。
今回は僕の知る中では就活をバリバリやっていると感じる学生にインタビューしました。中田さんです。中田さんは鋭く俯瞰して就活全体を見ている。俯瞰しながらもそこに主体性を見出し、人生全体のなかでどう就活を位置づけているのかそこまではっきり自覚している。「その言葉、本当に思ってるの?」という言葉は、採用側と学生側どちらもハッとさせられる言葉でした。
彼は、なぜ就活をしているのか、何をモチベーションに就活をしているのか、どんな就活をして行きたいのか。本音を探っていきます。
ーどんな業界、規模、を志望していますか?
人材やIT企業を中心として就職活動を進めています。
ー就活を始めたきっかけは何でしたか?
就活は2年の夏から始めました。1年後に本格的に就活をするに当たって自分がどんな風にやっているのか知りたくなったのが理由です。具体的には1ヶ月ほどとある会社のインターンに行きました。1個上の先輩が多くインターンに参加していましたが、働くことに対する実感を得ながら活動している人はあまり多くなかったように思います。
ーその後はどうされたんですか?
人材の会社のインターンを受けたりしながら、3年の9月ごろに本格的に就活を始めました。そこで感じたのは、人材は早い段階から採用活動で囲い込みをやっているということでした。1Dayインターンに参加したら、高成績者限定 のインターンに呼ばれ、さらに絞った高成績者のインターンに呼ばれるというサイクルもありました。
ー就活を少し他の学生よりも早いスタートを切った印象がありますが、自分ではどう思われますか?
2018年度は企業側の採用活動が思ったより進まなかった現状を知って、2019年度は企業も早めに行動してくるだろうという予測のもとに動き始めていました。経団連に入ってない企業ならなおさら早い選考活動をしてくるという予測もできました。
ー就活をしていてどんなことを感じますか?
まず、会社が欲しがる人たちは、学歴と相関があると感じます。大企業のインターンに参加すると高学歴の学生にたくさん会います。参加している全員が頭が良いわけではありませんが、その中で「コイツらには勝てない」と思う人たちが多くいました。
また、思っている以上に就活はドロドロしているということも感じます。僕らはそれを見抜けないとダメだと思います。人事の会社とか関わっていたこともあり、企業がどれだけ一人の就活生にコストをかけているのか、など企業の目線での採用を知ることができました。
「マイナビ」「リクナビ」「Goodfind」「en-courage」「type就活」など、様々な就活サイトがあります。これらのサイトごとに掲載費用が違うこと、使っている就活生の層に偏りがあることも感じました。
ーそんなドロドロした就活に嫌気がさすことはありませんか?
僕は基本的に就活嫌いです。
ほんと嫌いでしょうもないなって思う時もあります。
自分があまりない奴らを見ててみんな何かになりたいんだなって思ってうんざりすることもありました。「何者」って映画がありましたが、それに近い感覚です。自分も冷めた目で見てたりするのでそういった意味では主人公と共感する部分が多々あります。
ただの1社員が「社会を変えてます」みたいな強烈なメッセージを放つ採用サイトをみると気色悪いなって。もっと素朴に自分に正直に生きればいいのになあって。みんな宇宙にでも行く気なの?
就活に嫌気はさすし、めげそうになることもあるけど自分の人生だからどうにかなるだろうと思っています。しょうがないと思えます。あまり考えすぎないことも大事だと思います。淡々とこなして行くだけです。
ーこれからどんな就活をして、どんな将来を描きたいと思っていますか?
サマーウォーズの少年みたいにコンピュータと本に囲まれながら隠居をするのが夢です。BMWの車に乗りたいとか、全然思わない。昔行った石垣島の空気がいまだに好きで、そういうところで暮らしたい。
どう働きたいかというと、この間、とある会社の座談会で社員さんが自社で開発してるサービスに対して「この子」って呼称で呼んでいた。魂レベルで違うなって思った。自社のサービスを我が子のように思うってそれだけでカッコよかった。そういう会社で働きたいと思います。
どれだけ理論武装したって結局は自然体で就活をするのが一番です。人事として働いたらきっと僕は面接官として「その言葉、本当に思って言ってるの?」と尋ねます。本音で自然体で就活したいです。
ーインタビューありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
彼は、就活という制度に違和感を感じながらも、刻々と迫るタイムリミットへの不安から就活を始めたのではないだろうか。しかし、そんな不安だけかと思いきや、同時に不安を乗り越えるために前向きな希望を見出して就活をしているようにも見える。就活をしていく中で、本当に行きたい会社や自分の歩みたい人生がだんだんと明確に鮮明にイメージできるようになっているのではないだろうか。またそれが就活するさらなる動機付けになっているようにも思える。前向きに戦う彼の姿は勇ましい。