ONE MEDIA.が4.2億円の資金を調達し、クリエイターネットワーク事業を開始して3ヶ月になろうとしている。
ONE MEDIAが総額4.2億円の資金調達を実施 クリエイターネットワーク事業を開始 第一弾プロジェクト「ONE BY ONE」発表
電車広告でこのプロジェクトを知り興味を持っていたのだが、先日、制作された動画を見た。
ここでしか見れない菅本裕子『すがもとゆうこす日記』
現状では5分ぐらいの動画が20本挙げられていて、それらすべてを見た。
若手の女性映画監督が一人でカメラを持って、HKT元メンバーである人気YouTuberゆうこすを密着取材したこの縦型動画。
なかなか面白い。
こんな風に感想を書いてる時点でおっさん臭いのは重々承知だが、YouTubeを見てもないのに論じているおっさんのためにちょっと書いておきたい。
さて、自分的に何が面白いかというと、、、
1)ドキュメンタリーでよく言われる、撮るものと撮られるものの関係が今風に現れているところがいい。
最初は人気YouTuberにおずおずと人生相談を投げかけるような取材者が、だんだんと取材対象と関係を構築していく様が写り込んでいる。
撮るものと撮られるもの関係性の変化はドキュメンタリーの醍醐味の一つである。25歳になって死にたくなったという女性映画監督が「あいてにカメラをむけるということは自分を知るということかもしれない」とテロップで載せるところもいい。
2)ドキュメンタリーって結局、旅だよね。
名古屋と仙台の観光スポット?を訪ねながら話は進むのだが、旅番組的な情報や体験などを盛り込みながら、ゆうこすの素っぽい姿を引き出すという定番の演出もいい感じ。逆に言うとドキュメンタリー映像をコンテンツとして成立させる新しい手法というものはここには見当たらない。
3)一緒にいるかのような錯覚をもてるシーンがいい。
向かいあって食べるシーンが多く登場するのだが、取材者が女性ということもゆうこすが爽やかということもあって非常に見やすい。
しかも失礼ながら、若干不器用な女性が遠すぎない人気YouTuberと親し過ぎずよそよそし過ぎない感じで一緒にいるその距離感がとてもいい。
これまたおっさん臭すぎるのは重々承知だが、まとめると、演出手法は、猿岩石とも、水曜どうでしょうとも、カンパニー松尾とも何も変わらない。
テレビでなくスマホで見られようと、画面が横だろうと縦だろうと、取材対象が芸能人やアスリートでなくYouTuberだろうと、味付けや商品としての落とし所が違うだけである。
しかし、映像の骨格を作る取材者と取材対象者の関係性は、今回のこの組み合わせでしか生まれない。
だからこそ、現状やや遠慮気味にも感じるのむら監督が、ゆうこすへ、もうちょっと自分をぶつけてくれたらなあとも思う。ゆうこすファンからは要らないと言われるだろうけど。