録り貯めたNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」を見ている。この番組は2006年の第一回の星野佳通さんの回から見ていて大ファンである。
日本のテレビドキュメンタリーの最高峰だと思う。
さて、この番組でも数年前から女性ディレクターの起用が増えているように思う。
女性ディレクターは、当たり前のことだが、女性としての問題意識を全面に出したネタ選びをしているように感じる。
例えば、主人公は女性。テーマはこの女性が如何に女性であることの困難を乗り越え活躍するに至ったかなど、である。
その多くに男性である私は共感できなかった。
細かいことは記さない。
なんというかディレクターの肩に力が入っているように感じてしまい「まあそうだよな〜」で止まってしまうのだ。
だが、そんな経験を覆す、傑作が現れた。
2016年1月16日に放送された
主婦のリアルが、ヒットを生む 雑誌編集長 今井朝子
あのVERYの編集長である。
番組の内容はNHKのHPに譲る。
ディレクターが非常に真摯に取材している。
それもぞのはず、真摯に取材行っている編集者を取材しているからだ。
そんな取材対象者をどう捉えどう描くは、まさに自分の取材者としての全存在がかかったテーマである。
取材対象者から逃げない編集者の姿を取材するディレクターもまた、取材対象者から逃げることはできない。
そんな緊張感が全カットにみなぎっている。
そこには「女性なのに」とか「女性だから」というものはない。
取材しそれを形にする全ての人が日々取り組むべきことだが、しかしながら、いろんな言い訳をしてやっていないことでもある。
女性が女性をターゲットにした仕事をする女性を描きながら、男女の性差を超えたものを提示することに成功している、必見の番組である。
アッパレ!