久しぶりにスチールカメラマンの友人と飲んだ。
仕事はなかなか思うように行っていないようだ。

スチールカメラマンという仕事は、映像ディレクターとは、比較にならないほど厳しい状況にある。
写真と動画というのは、似ているような似ていないような分かりづらい関係にある。
どう違うかはまた別に記すとして、彼が自分の思うように仕事を進められていないという理由を考えてみると…

１）デジタル一眼レフとレタッチソフトの進化で、プロの技術の多くがコモディティ化し、プロにしか出来ない事が分かりにくくなったこと。
２）仕事へのピュアな職人気質が、今のポジションでは自身の首を絞めてしまう構造にあること。
３）人間関係をベースに仕事をしたがるため、Webマーケティング力が弱い事。

これらを踏まえ、そのカメラマンに説教しようとしたが、ふと…

「あれ！これ俺と全く一緒じゃん！」

と叫びたくなった。

若干の程度の差こそあれ、本質的には何も変わらない。

ありゃりゃあ〜

ところで…

年配のビデオカメラマンに「これからどうなるのかね〜」なんてよく聞かれるのだが、私はそんな時、大体こう答える。

「超一流の人以外は、Webを通じて受注出来るようになっていなければ生き残れないでしょう」
「Webで受注するためには、自分のキャラを明確にして、そのキャラを欲している人が集まっているところで、目立っていなければなりません」
「そのために知らなければいけないこと、やらなければいけないことは膨大にありますが、年配の人はまずやりたがりません。若い人は普通にやってます。」
「技術も経験もなくて、パーン棒で殴られた事もないのに、情報発信だけができるっていうだけで若い奴に負けてて、本当にいいんすか？」

いつの世も時代の変化と共にある。

映像で言えば、映画からテレビ、テレビからPC、PCからスマホの流れは変わらない。
映画がテレビに負けるのに数年。いくら映画の技術力を誇ったところで、ビジネスモデルが崩れて、作る場が無くなれば、その技術は消えていくのみなのである。

ちょっとまえ「デビルマン現象」という言葉があった。

デビルマン（アニメ版）は、デーモン族を裏切って人間界に入り、デーモンとしての能力で人間を守る。
そんなデビルマンの代表が元新聞記者のジャーナリスト、佐々木俊尚さんであるが…

いや〜遠いっすね〜
８年経っても、Web動画のデビルマンはほど遠い。
もっともっとがんばります。