先日お会いした社長さんと打合せ中に、エンゼルバンクという漫画の話が出て、早速読んでみた。
ビジネス書的な漫画で非常に気付きが多く、感銘を受けた。
三田紀房の名前は知っていても全く読んだこともなく、マンガ論とか制作手法とかもあまり知らないが、「こういう漫画の作り方でヒットさせるんだ!」、なんて思った。
自分が大好きだった漫画を振り返ってみると、作者が自分自身を作品に投影し、まさに「命を削って書いてるぞこれ!」というもの。
その代表は「進撃の巨人」だと考えている。
エンゼルバンクとドラゴン桜を読む限り、三田紀房が作品に自己投影するような感じは全くない。
ネタの全てその道の先駆者、エキスパートから拝借し、自分の漫画の舞台で紹介するのみ。
作者としての解釈もしない。ネタを紹介するために適したキャラを登場させて、読者が欲しがるであろう価値ある情報を提供する。
百貨店のビジネスモデルである。
「ドラゴン桜」の三田紀房という館に、全国各地の名産品を並べて、最後に自分の包装紙で包んで売るのだ。
三田紀房は漫画家としては異色の経歴の持ち主である。
ビジネスマンとしての様々な経験でその手法に行き着いたのだろうか。
それとも漫画としての自分にいろんな整理をつけてここに至ったのか?
どこかでインタビューとして詳らかにされているのかもしれない。
いずれにせよ、エンゼルバンクを読んで、自分の仕事の棚卸しをした人は多いだろうし、
ドラゴン桜を読んで東大に入った人も多いことだろう。
自分の作品で世の中を動かすというのは、どんな気持ちがするものなのだろうか?
もうすぐ経験できるだろう。