最近、地方に泊まりがけでロケに行く。
今月は、山形と鳥取に行った。
高齢者福祉施設で働く人に、朝から晩まで「密着」して撮影する。
自分はそういった施設を、これまでに数回しか尋ねたことがない。
なので、福祉の仕事をしている人をほとんど知らなかった。
そんな自分が、これまでに取材させていただいて驚いたのは、
「考えるのは自分のことだけ、とりあえず楽しときたい」みたいな雰囲気の人がいない、ということ。
そして、
「効率」とか「競合」とか「費用対効果」とか、そんなことだけに囚われている人もいない、ということだ。
しかも、非常に高い責任感を持ち、熱心でいて楽しく仕事に取り組んでいる人も多く見受けられる。
なにもそこまでやらずとも…でも、そこまでやってくれたら感激だな…
失礼ながら、金銭的にはそんなことまで求められるほどではないかもしれないのに…ありがたいだろうな…
そう思うことがあった。
そんな人をファインダー越しに見つめていると、その姿はさながら「金八先生」のように見えてくる。
私は、そこに仕事というものの本質を垣間見る。
仕事とは、喜ばれるもの。嫌な気分にさせるものではない。
仕事とは、楽しいもの。辛いことはもちろんあるけれど。
仕事とは、自分が決めるもの。条件で決められるものではない。
こんな綺麗事と、そうは言っても…な現実を行き来することが、自分にとってのリアルである。