「仕事であれば嫌いなことでもしなければならない」
そんな考え方がある。
でも、それは間違っている。
人間は、好きなことしか仕事にできない。
嫌いなことであっても、100%その全が嫌いなことなど滅多にない。
嫌いなものに中にさえ、どれだけの好きを見つけられるか?
それが仕事において、すなわち人生において非常に重要な能力だと思う。
こう考えるのはなぜかというと…
およそ表現というものはどれも同じだだが、映像もまた、制作者がどれだけ対象を愛しているのかということが全てである。
映像の中でも、ドキュメンタリーは、それがもっとも如実に現れるものだと思う。
撮影対象の日常にカメラを向けているのに、そこに愛がなければ、この世でこれほどつまらないものはない。
とは言え、それを業としている自分は、愛からのみ映像作りが始まるわけではない。
それでも、これまで会社を立ちあげてから自分が制作したものには、すべてに愛があると断言できる。
それは、こんなプロセスを繰り返しているからだ。
好きなものしか撮れないから、好きなところを探し、好きなところだけを撮る。
好きなところが生きるよう編集を繰り返し、映像が出来上がるころには、それが愛に変わっている。
でも、惚れた相手というのは、良いところ以上に悪いところもよく見えるものである。ナハハ。