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コロナ下での社内イベント動画の作り方

先日、あるお得意様の社内キックオフ用の動画を制作した。

これまではホテルに全社員を集めて大々的に行って来た恒例のイベントだが、今回はやむなくリモートで開催するとのこと。社長の経営計画発表や記念講演、表彰式がライブ配信となる。

ライブ配信は会場を提供する会社が行うとのことで、私はイベント中に流す動画の制作を担当させていただいた。

コロナで撮影に出向くことが難しいので、そのほとんどはオンライン会議システムの収録機能を使って行い、これまでに社内で撮った写真などを組み合わせて、動画を作る。

収録に使ったオンライン会議システムはMicrosoft Teams マイクロソフトのチームスで、これは1080pで収録できる。しかし取材対象者のみのワンショットでは収録できず、オンライン会議の参加者の数だけ画面分割されたものになってしまう。そこで、オンライン会議に使用するPCのHDMIから映像を出力し、外部レコーダーで収録する。こうすることで取材対象者のみの画面分割されていない映像が入手できる。なお使用したのはATOMSのShogun Flameというもの。注意すべきは、マイクロソフトのチームスで収録した動画はフレームレートが8。一方、ATOMSのShogun Flameでは23.97で収録するので、映像と音声は同期しない。

ところで重要なことは機材の使い方ではなく、オンラインの撮影でいいと踏ん切れることだ。

おそらく多くの業務のリモート化と同じように、撮影もまた現地を訪ねなければならない、対面で行わなければならないという「ねばならない」があり、それによって本来撮影されるべき人物の撮影をしないという選択が数多くなされてきた。撮影のリモート化で交通費と時間と手間というコストが削減され、どこにいる人でも撮影できるという自由は手に入った。一方で、今後はその便利さによって撮影は「オンラインでいい」という選択がなされ、その内容はますます画一化されていくことだろう。

そんな画一化されていく動画制作の現場で、古株となった自分の役割は「設計」「対処」「運用」である。さまざまな事情や状況の中で、古株の経験を活かす。「設計」「対処」「運用」のそれぞれで顧客の要望応えるための最適解を出す。それがこの仕事での自分の価値である。

あらゆることが手軽にできる時代には、手軽に得たものを横串にも縦串にもさして形にできる人が求めらる。

私はこの分野ではそれができるようだ。

だが、外部からは見えずらいので、さして商売には結びつかないだろう。

多くの職人の仕事と同じように。




代表取締役
里田 剛

仕事の魅力を映像化することで、中小企業を元気にする企業映像コンサルタント。1993年関西大学卒業後、テレビ番組制作会社に入社。テレビ東京「開運なんでも鑑定団」などでディレクターを勤めた後、TBS「サンデー・ジャポン」でサンジャポフリージャーナリストとして活躍。2006年、メディアフォーユー株式会社を設立し、企業映像の制作を開始。2010年、ITVA-日本コンテストで金賞を受賞。2013年、映文連アワードで準グランプリを受賞。2011年、ドキュメンタリー映画「マジでガチなボランティア」が、ハリウッドの映画祭、LA EIGA FESTで長編映画部門グランプリを受賞。

テレビ、映画で培った制作で、中小企業の魅力を映像化している。

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