6月12日にEテレで再放送されたハートネットTV「ブレイクスルー File.80 最悪から逃げろ!! ―就職支援NPO代表 黒沢一樹―」が面白かった。
何が?
1.黒沢さんの人生が。
その面白さは現代ビジネスの2015年12月のこの記事に要約されている。
父親4人、貧困、虐待、中卒で就職、インドネシアで1000万の生命保険に……安倍昭恵が果てしなき「壮絶人生」に迫る!
現代の日本で、彼のような人生を辿り、それを公にしている人を私は知らない。
2.黒沢さんの喋りが。
どこがどうとは説明できないが、彼のしゃべりの巧みさはまるで売れてる芸人さんのようだ。表情によって表現できる幅も深さもある。
修羅場をくぐり抜けてきた凄みを感じる。
3.黒沢さんが伝える世界が。
私は生きづらさを抱えている若者のことを何も知らない。
私は新卒採用で学生に見てもらうための映像を作っている。
撮影する対象は、その会社の「優秀な」社員さん。見てもらいたい対象はその会社の望む「優秀な」学生さん。
「優秀な」社員さんについては1日中密着撮影したり、一緒に食事したりして接点があるので、いろんな人を知っている。
「優秀な」学生さんも説明会やセミナーで見かけたり話したりすることがある。
一方で、新卒採用という枠組みに入れない人については全く接点がない。
その存在を意識することさえなかった。
就職活動について、自分は上澄みのような世界しか知らないのだ。
この番組を見ることで、自分のこの薄っぺらさが浮き彫りになった。
出会いと発見がある。
だからこの番組は面白かった。