弊社から歩いて3分の所に、ROCK ON PROというDTMのショップがある。
そこで、兄が作曲家、弟が映像作家という「FILTER KYODAI」という名のユニークな兄弟クリエイティブユニットの方がセミナーを行うとのこと。聴いてみた。
なんでもお兄さんの江夏正晃さんは建築家から作曲家へ、弟の江夏由洋さんはTBS局員からの独立というこれまたユニークな経歴の持ち主だ。
そして江夏由洋さんのブログ、江夏由洋の現代映像製作論は最新機材のレビューが制作者の視点で紹介されるという「初心者排除」で制作者には非常に有益なブログである。
さて、このセミナーだが、ショップに中にある8畳ほどの編集室に数十名が入るという大入りの状況で、予約者のうちキャンセルが1名のみという驚くべき出席率だったそうだ。
セミナーは2部構成。
1部はapple社のトレーナーの方からFinal Cut Studio2の操作に関するレクチャー。初心者用という事だったが、いつも同じ機能を使って満足しがちな私には新鮮なTIPSもあった。
以下メモ
1)素材にマーカーを打った後、それをそのままサブクリップに出来る
2)in out を打った後、その間だけを再生するにはシフト+む
3)マルチカム編集時、オープンでマルチモニタリング*ツールーキーボードレイアウトを選び、キーボードでスイッチング*playだけだと練習モード、appleキー+テンキーでREC
4)motion モーショントラッキング→スタビライジング、枠線ズーム
5)プラグイン FX FACTORY
6)color control+Gでエフェクトあるなし
2部はFILTER KYODAIのセミナー。
FILTER KYODAIは、企画から配信までを一貫して行うことをモットーとしており、撮影と作曲、映像編集と楽曲調整と、映像製作と音楽制作を同時に進行させることで、映像と音楽のマッチングの精度を上げ作品のクオリティをあげているのだという。
そんなFILTER KYODAIの制作手法の例として、音楽のBPMと実写の映像をシンクロさせるためのAEのタイムリマップを使うTIPSや、HDVの業務機と民生機の混成によるマルチカム撮影とそのカラコレ方法などが紹介された。
また、final cut proのマルチクリップで白完→colorで色合わせ→AEで画像処理→EncoreでDVDメニューをそのままFLASH化という効率のよいワークフローも紹介された。
江夏氏は「新しい技術が新しいアイデアを産むので、新機材の導入とそのワークフローの確立はクリエーターにとって非常に重要な課題である」と仰っていたのはたしかにその通りだと思う。
いずれにせよ次々に新しい機材やソフトが登場し、アイデアやノウハウが陳腐化していく大量消費時代に、どうやって生き残り、良い作品を残して行くのか?ということの答えは、日々の制作での一工夫の積み重ねにしかない。
江夏氏が「クリエーターはとにかく作りまくって、Webで公開しまくれ!」的なことを仰られていたのも、これまた、まさにその通りだと思う。
うむうむ。私もやっちゃうことにしよう。