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動画撮影におけるLog収録。本当に理解できてますか?

ディレクターのトミーです。
ここ最近、新しいカメラが発売されるたびに、『LOG』だの『ダイナミックレンジ』だのというワードをよく聞くようになりました。

弊社メディアフォーユーにおいても、撮影で使用しているCanon C100Mark2なら『C−Log』、ドローンDJI Phantom4なら『D−Log』、JVC LS300なら『J−Log』、ソニーなら『S−Log』というのがあります。
それぞれのメーカーが、カメラに合った適切な規格でこの『Log』収録というものを可能にしています。呼び方は様々であっても、共通しているのは、広い『ダイナミックレンジ』での収録が可能であるということです。

前置きが長くなりましたが、そもそも、この『Log』とは一体何か? という話をしたいと思います。
スクリーンショット 2016-04-21 16.08.50
(出典:CanonLog TechnicalSite http://cweb.canon.jp/cinema-eos/special/canon-log/advantage/index.html)

【Logとは】
ログとは、Logarithm(ロガリズム)の頭文字3文字をとった略語です。「対数」という意味です。そうです、高校数学で出てくる対数Logのことです!
そして、なぜこのLog(対数)が撮影において出てくるのかと言うと、光の濃淡である『階調(グラデーション)』を、Log(対数)を使って数値化したからなのです。

【階調とは】
階調とは、一番明るい所から一番暗い所までを、何段階に分けるかを表す数値です。
1画素1ビットなら2階調(2色)。2ビットなら4階調というように、2の累乗で増えていきます。10ビットならば1024の階調で画像を表現することができます。
スクリーンショット 2016-04-21 16.34.57
【ダイナミックレンジとは】
元々は、オーディオの専門用語で、音域の再生できる範囲を表していた言葉です。映像においては、階調描写の幅を表す言葉として使われてます。ハイライト部からシャドー部までの、描写できる幅の広さがダイナミックレンジです。
幅の広さを保つことで、黒から白までの濃淡をより多く表現することが可能になります。幅が狭いと人間の目では見えているのに、画像では黒つぶれしていたり、白飛びしてしまいます。
また、「ダイナミックレンジ800%」という言葉やグラフなんかも各メーカーのページに載っていたりしますが、
この800%というのは、Logが従来の収録方式Rec709(今回は説明を省きます。)に対して、800%(8倍)のダイナミックレンジを持っているということになります。

10ビットで収録できるビデオカメラにおいて、1024個という限られた数の階調をどのように割り振って使えば、綺麗な画像(ここでの綺麗とは、人間の目に限りなく近いという意味)で表現する事ができるのか。
そこで登場するのが、このLogというものです。(8ビットなら512、12ビットなら4096となります。)

つまりは、実際に目で見ている光の情報を、カメラを通してデジタルに変換する過程で、どのように光を収録し表現するのが最も良いのかという事で生まれたのがLog収録です。
人間の目に見えている陰影に近づけるという考えを元に、階調の割り振り方を決めています。その時に、直線的な「リニア」ではなく、Log(対数)で割振る方が人間の目に近くなるのです。

参考までに、Logについてとても解りやすいお話がFujiFilmのページにありました。
ここでは、1,000灯の照明の明るさを。0〜100の整数に当てはめる時の考え方について、詳しく書かれていて面白いです。
この話の中に、「リニア」と「Log」の違いが出てきます。

動画撮影において幅広い階調で表現された画像という意味では、RAW収録があります。RAWデータは、RGB化される前の光の情報をすべて保った状態のデータです。
編集段階で色温度やコントラストを自在操作できる優れたデータですが、現実問題、かなり重たい動画データに対して編集ワークフローを構築するのは、費用面や環境面で誰もがトライできるものではありません。
そういった部分で、Logという限られたデータ容量の中での、効率的な光の表現は、現時点においてとても魅力的な収録方式であると感じます。

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