本日は台風9号が日本上陸した影響で、関東も雨がひどかったですね。
<ー雨の日の電車だけは嫌い>
朝の満員電車は雨の日独特の金属が腐った様な不快な匂いで充満していました。汗と湿気で張り付き合う乗客同士の腕は、ねとりとしていて、何とも気持ち悪いものです。身動きの取れない通勤ラッシュの電車内では、全ての人が息を止める様に不快感に耐えるしか無いのですが。
ようやく電車を降りて息が出来ると思っていたら、込み合ったホームの生温い匂いしかしませんでした。爽やかな日の駅のホームと雨の日の駅のホームは、まったく同じ駅のホームのはずなのに、性質が真逆です。誰しも颯爽と歩いているような爽やかな日に比べ、雨の日はホームにいる全員が投げやりな態度で苛々して攻撃的です。電車に乗る行為自体は趣味といえるほど好きですが、雨の日の電車だけはどうしても好きになれません。
駅から出て広い街に出たものの、溢れ出て来た排水や行きどころのない雨水が、そこかしこにダクダクと流れていました。
<ー残念、街中も不快さは同じ>
残念なことに、私が今日履いて来たのは布製のスニーカー。午前中から撮影があったので履きなれたスニーカーを選んでしまいました。さらに、私が歩かなければならない会社までの基本ルートは、緩い傾斜になった道。角度にしておよそ25度の傾斜道。汚水となった雨水が川になるのも時間の問題です。
案の定、傾斜道の前方からは幾筋もの汚水が容赦なく流れてきたので、私はスニーカーが大規模な浸水しない様に敵(汚水)を避けながら歩きました。注目すべきは、この”避けながら歩き”にはある種のリズム感が必要だということです。左右にヨレヨレしながらも爪先立ちでチョビチョビ進み、時には大ジャンプもしながら敵をかわさなければなりません。さらに、本来の歩くスピードに限りなく近い状態で歩こうとすると、正常な姿勢での歩行は困難になってしまいます。
”避けながら歩き”に没頭していた私ですが、ふと顔を上げて洋服屋のショーウィンドーに映った自分の姿を見て絶句しました。私の苦肉の策の歩き方は、どうみても「浮かれ過ぎてスキップ混じりに雑踏を突き進む、大人なのに はしゃぎ過ぎてる人の姿」にしか見えなかったのです。
結局、色々な努力もむなしく、会社に到着した時にはスニーカーはずぶ濡れになっていました。チャコールグレーのスニーカーは真っ黒なスニーカーとなりました。
<ー明日は晴れだろうか、スニーカー干したい>
鳥