こんにちは。新人スタッフの市川です。
先週、六本木で行われている東京国際映画祭で『ルールを曲げろ』というイラン映画を観てきました。
http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/lineup/works.php?id=C0004
イランではリアリズムに重きを置いたドキュメンタリータッチの劇映画が主流になっているそうで、この映画も長回しが特徴的な抑制的な演技で構成した会話劇でした。
作品は、舞台演劇を行っている若者達が主役で、海外の舞台公演に旅立とうする前日、演劇メンバーの一人が父親の反対にあい、海外公演に行けなくなってしまうという物語で、「父と子の確執」「メンバー間の意見の対立」など、コミュニケーションの不一致という普遍的なテーマを描いたものでした。
常に緊張感に満たされており、映画も素晴らしかったのですが、上映後に行われる監督のトークショーでの話が頭に残りました。
「父親世代と若者が話す言語の違いは決定的に断裂しかけている」
「(父親が悪者に描かれているのではないかという質問に対して)誰が悪いというわけではない、それぞれの考えがあるだけだ」
「この断裂をどうしたら良いかという解決策を私は持っていない。各々の適した手段があるはずだ」
考えさせられました。論理ではどうしても埋められない、世代間の肌感覚の違いをを「合わない」と言い切ってしまいがちですが、「つなげる」という意識が重要なんですね。
東京国際映画祭での上映は終わってしまいましたが、また観る機会があったら、是非観て下さい。オススメです!
映画は基本的に雑食質な市川でした〜