13日、東京電力の清水社長が、退院後初の記者会見で、賠償金の前払いと同時に「柏崎刈羽原発3号機を年内に動かす」ことを名言した。
「原発頼み」は不変=柏崎3号機の年内再開目指す-東電
東京電力の清水正孝社長は13日の記者会見で、運転を休止している新潟県・柏崎刈羽原発の3基の原子炉のうち、3号機については「年内に再稼働したい」と
の意向を表明した。福島第1原発の事故で安全性への疑念が高まっている状況でも、東電が原発を発電設備の中核と考える姿勢は変わらないことが、改めて鮮明
になった。
東電の発電量全体のうち、原発が占める比率は福島第1を含め約3割。東日本大震災で福島第1が運転を停止し、一般世帯や企業が計画停電などで不便な生活を強いられたこと自体が、原発の比重の大きさを物語る。
原発は運転が安定すれば火力発電より低コストな上、他の電源に置き換えるには長い年月と莫大(ばくだい)な投資を要する。原発の位置付けを大幅に変えるのは容易でなく、東電は休止中の柏崎刈羽の残り2基も将来運転を再開する考えだ。(2011/04/13-21:17)
このタイミングで賠償金の仮払いと同時に発表を行うというに、原発を維持させることへのなみなみならぬ決意を感じる。
原発の維持は、「変更を考慮する余地のない自明の原理であって、それはどんなことがあっても揺るがない」という宣言のようだ。
そういう人や組織に対して、これまでいろんな反対運動があったが、残念ながらそれらは結果を残すことができず、今日の事態を招いた。
私もそんな現況を招いた人間の一人だ。
なんとなく放射能が怖いので、原発は作らなくていいのなら、作らないで欲しいぐらいに思ってはいたが、特に何をするという訳でもなかった。
反原発の方々、例えば、田中優さんなどのお話を伺うと、原発がなくても法人への料金体系や既存のクリーンエネルギー技術の導入で、東京電力が現在供給しているぐらいの電力はまかなえるとのことだ。
しかし、当の事業者にとって、電力がまかなえるかどうかではなく、まず原発というものの維持があるのようだ。
それはなぜなのか?
輸出産業としての原子力発電の技術を途絶えさせたくないから?
プルトニウムを保持していることで安全保障に役立てたいから?
いつか安全性は確保できるはずの無限のエネルギーを生み出すテクノロジーだと考えているから?
これほどの被害を与えても、なお揺るがないその思考と行動はどこから来るのだろうか?
それを知りたい。