映像制作会社メディアフォーユーインターンの比嘉です。
今日は映像とは少し関係ありませんが最近読んだ本を紹介します。
「豚の報い」 又吉栄喜
三軒茶屋の古本屋で見つけて、新品と対して値段も変わらなかったけど購入してしまいました(笑)
姓でお気づきの方もいるかとは思いますが私は沖縄出身でして、大学の頃は特に沖縄を巡る映像を研究しておりました。この作品のようないわゆる「沖縄文学」なるものは目取真俊などの有名所しか読んだことがなかったのでとても興味深かったです。
特に文学だとそれが顕著に出やすいかとは思うのですが、沖縄をめぐる諸作品(映像、演劇、などを含め)は言語に着目するのがとても面白くて、この「豚の報い」でも日本の純文学的な文体から、そこに加えられる「沖縄語」というアクセントによって、「無国籍文学」てきな作品になっています。
特に映画の場合だと日本語、沖縄語に加えて英語も加わり(在沖米兵やアメラジアンなどが登場する場合)、単純なバイリンガリズムとも違った、言語のバランスというか不安定な状態で物語が展開されます。
この「豚の報い」という作品ではそういった言語のバランスや、言葉以外にも歴史を象徴する文化、沖縄的思想などが、オフビートなユーモアと共に語られていく面白い作品です。
タイトルを見れば分かるように、「豚」が重要です・・・
沖縄では「鳴き声以外全部食べる」と言われているほど愛されてる豚ちゃんは、果たして物語の中でどういう役割を果たしているのでしょうか。ご興味のある方は是非読んでみてください。
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