先日、あるお客さまのところに納品に伺った。
納品は、できるだけお客さまに直接手渡しをする。
これまでの制作に関しての感想を直接伺うことができる貴重な機会となるからだ。
今回はその中で、我々のような仕事の進め方が「初めてだった」とのお話を頂けた。
広告代理業で映像制作の実績も豊富なお客さまだが、曰く、これまでの制作会社は「台本はいただけますか?」「この部分はどうしますか?」と聞いてくることが多く、そんなものかと思っておられたそうだ。
一方で、我々は、わざわざ台本を提供すると言っているのにそれを断り、構成も撮影も自分達でやる…まるで「内容に手出しするな」的な態度のようだったそうだ。
ならば…と任せてみたら、結果に満足できたので、よかったとのお褒めの言葉だった。
当たり前のことが、当たり前にできていない世界がここにもあった。
オペレーションは楽だ。
クリエーションは大変だ。
でも、そこが仕事の分かれ道。
多くの人達が、オペレーションで済ませようとする。
楽でリスクが少ないからだ。
でも、そんな態度はやがて大きなリスクとなる。
一方で、クリエーションもまたリスクだ。
今回はご満頂けたので良かったが、満足にもいろんな度合いがある。
気に入っていただいて2度目、3度目と発注が続くと、今度はお客様の期待値がどんどん上がる。
しかしながら、期待値と同じように、予算が上がることはない。
そんな中、収支は悪化し、結果も残せない、そんな負のスパイラルに陥るリスクがあるのだ。
それをどう乗り越えるのか?
仕組み?
計画?
確かに。
でも最後の最後は、やっぱり「根性」だと思う。
お客さまが満足していないという状況を制作者としてどうを受け入れるのかという挟持、あともう少し歯を食いしばる根性があるかということである。
40を過ぎて、そんな根性をどこまで持てるのか?
死ぬまで持つべきなのだろう。