こんにちは。三間です。
怒濤の猛暑撮影から2日経ち、
あの日のことが遠い昔のように思えてなりません。
また今週末に撮影があります。
さて、どうなることやら。。。
実は最近『桐島、部活やめるってよ』(監督 吉田大八)という映画を観ました。
悪くない映画です。久しぶりに学園ものでグッときました。
平等であるはずの学び舎には、必ず派閥が存在し、「誰がイケてる」「誰がダサい」という棲み分けが、無言のうちに決定され、多くの学生たちが毎日のようにそのヒエラルキーの中で学校生活を送っています。
「桐島」という人物が部活をやめることによって、その無言のうちに決められた「クラス内階級」が崩壊し、大混乱を招くという過程を、予告編からは想像がつかないほど淡々と、濃密に描いています。
抑制の効いた演出は、相米慎二の『台風クラブ』やガス・ヴァン・サントの『エレファント』に影響を受けてるんだろうなあとは思いながらも、そんなことは差し置いて、脚本の構成の上手さと登場人物の存在感に驚かされました。誰しもが誰かしらの登場人物に自分を重ねて、とことん感情移入してしまうと思います。
神木隆之介君が演じている映画部の男の子(イケてない派閥)が、ある日マニアックな映画を一人で見に行っていると、何故か後ろの座席にクラス1の美少女が座っている…というシチュエーションは、映画青年なら誰しもが想像した妄想なんじゃないでしょうか。
白黒はっきりした結末が多い最近の日本映画の中で、なんとも曖昧な結末となっている『桐島~』ですが、やはり賛否が分かれているらしく、興行的にもかなりキビしいらしいです。
よくテレビ局がこんな挑戦的な映画を作ったもんだと思いますが、これがまた大コケしてしまっては、こういった「曖昧である」ことが許される映画を作ることが、どんどん出来なくなってしまうんじゃないでしょうか。
密かにエールを僕は送ります。