ディレクターのトミーです。今日もとある現場でインタビュー撮影を行ってきました。
今回は、『インタビュー撮影』における構図の説明をしていきたいと思います。様々な撮影がある中、動きの少ない止まっている被写体を写すというインタビュー撮影は動画撮影の基本です。
【インタビュー撮影する前の準備】
まず最初に考えるのは、どこでインタビューをするかという「場所」の決定です。
一番簡単なのは、無地に近い壁などを背景にして撮影するということです。被写体以外の無駄な情報を省き、被写体にだけ視聴者の目線を集中させることができます。しかし、無機質な印象となり退屈な画になってしまう場合もあります。
私がよく行うのは、職場やお店など現場の様子を背景にして撮影する方法です。
この場合の注意点としては、奥行きをなるべく広くとって撮影することです。背景として現場の雰囲気を出すと同時に、そこまで目立たせない。あくまでも主役は被写体であることを印象づける必要があるためです。これは、使っているカメラのレンズなどにも関係してくる部分ですが、背景が少しボケている状態でよく見えないのが理想かと思います。
iPhoneで撮影する場合は、なるべくiPhone本体を被写体に近づけて、さらに背景の奥行きを広くとって、ピントを被写体に固定すれば、多少ボケ感を出すことができます。
【カメラ位置】
次にカメラをどこへ置いて撮影するかというカメラ位置を考えます。
基本的にここで考える位置関係は、「被写体」「インタビュアー(聞き手)」「カメラ」。この3つの位置関係になります。
(1)メッセージ性が強いカメラ目線での撮影
これは、非常に簡単です。被写体に対して、カメラを真正面に置けば良いだけです。インタビュアーもカメラの後ろ側で良いと思います。
被写体のサイズとしては、ルーズ(広め)とタイト(狭い)の2つありますが、ルーズの場合は、被写体の頭の上のスペースは拳1つ分ほど開けて撮れば良いと思います。このスペースをヘッドルームと呼んだりしますが、この頭の上のスペースの広さによっても印象が変わってきます。強い主張や、緊迫感などを出したければヘッドルームを作らずにタイトなサイズで撮影するべきです。これは、被写体が1人の場合も、複数の場合も同じです。ほのぼのとした家族団欒の様子や優しい印象を与える時などは、ヘッドルームを空けて撮影するべきだと思います。
(2)目線をインタビューに向けてカメラから外して撮影
これが最も基本的な撮影です。目線を外す角度は、30度くらいを基本にすれば良いと思います。カメラはインタビュアーの横に置いて、被写体の体と目線はインタビューで良いと思います。サイズに関してはバストショットかウエストショットを基本にすれば良いと思います。この場合は、三脚などにカメラを固定しておく必要も出てきます。
この時、気をつける点としては、被写体を画角のどこに配置するかという部分だと思います。ここでは三分割法という考え方があります。
画面を縦横3分割する線を引いて、その交点の近くに配置する方法です。バランスのとれた構図は、この原理に則っていることが多いです。中央に立たせて斜めを向くよりも、より自然な印象になります。これは、人物だけでなく風景を撮影する時にも使えるテクニックです。絶対覚えた方が良いです!
(1)のカメラ目線の写真のようなシンメトリー(左右対称)の構図は、整然としていて、神社仏閣など神聖なもの、神秘的な印象を与える構図です。日常においては、それは違和感となって印象づけられることが多いです。(逆に、それを狙ってシンメトリーにするという撮影方法もあります。)
この他にも、被写体の真横から撮影してアクセントにするなど様々なカメラ位置での撮影を行い、編集して混ぜ合わせることもできます。今回説明したのは、正面から撮影する時の基本的な考えかたです。さらに、現在はiPhoneを含め4K撮影など高性能、高画質なカメラが増えてきました。編集段階で画角や、被写体の位置を微調整することも可能になっているので、撮影後にトリミングを行うという方法もできます。
これまで多くのテレビ番組や企業映像など不特定多数の視聴者が存在する映像を制作してきて、撮影の面白みとは、撮影方法だけでも、視聴者に与える印象(被写体が与える印象)を操作するということが出来てしまうということです。良くも、悪くも撮り方次第で印象は変わるということです。インタビュー撮影1つとってもとても奥が深いのです。
次回は、カメラの高さについて解説したいと思います。
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